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2009-09-03     構成員課税(パススルー課税)とは何か。LLP40の質問より

構成員課税(パススルー課税)とは何か。LLP40の質問より

経済産業省より公表されているLLPに関する40の質問と40の答えを参考にして、LLPに関する情報を紹介します。

問4.構成員課税(パススルー課税)とは何か。

答え

1.構成員課税とは、組織段階では課税せず、出資者に直接課税する仕組みです。

2.構成員課税の効果としては、LLPの事業で利益が出たときには、LLP段階で法人課税は課されず、出資者への利益分配に直接課税されることになります。

3.また、LLPの事業で損失が出たときには、出資の価額を基礎として定められる一定額の範囲内で、出資者の他の所得と損益通算することができます。

解説

LLPのメリットは3つあると言われています。1つは有限責任、2つ目は内部自治の徹底、3つ目が構成員課税です。

この3つのメリットのうち、一番大きいと個人的に思っているのがこの構成員課税になります。

法人を作って事業を行った場合には、株主には法人税が課税されたあとの儲けが配当されます。そして配当には所得税が課税されることになります。(個人株主の場合、配当控除は無視しています)

一方LLPに出資して事業を行った場合には、LLPには法人税が課税されないため、法人税を課税される前の金額が、LLPの組合員に分配されます。そして個人の組合員において所得税が課税されることになります。

法人の場合には、法人において法人税が、個人において所得税が課税されます。

LLPの場合には、LLPにおいて法人税が課税されず、個人において所得税しか課税されません。

つまり、同じ儲けであったとしても個人の組合員の手元に残る金額が変わってくることになります。

また、LLPに損失が出た場合にも、LLPの損失を個人の組合員が取り込むことができ、他の所得と相殺が可能となります。

中野区 税理士 佐藤税理士事務所

2009-09-03     LLP制度はどういう分野に活用できるのか。LLP40の質問より

LLP制度はどういう分野に活用できるのか。LLP40の質問より

経済産業省より公表されているLLPに関する40の質問と40の答えを参考にして、LLPに関する情報を紹介します。

問5.LLP制度はどういう分野に活用できるのか。

答え

1.LLPが活用されるのは、法人や個人が連携して行う共同事業です。

2.具体的には、
 ・大企業同士が連携して行う共同事業(共同研究開発、共同生産、共同物流、共同設備集約など)
 ・中小企業同士の連携(共同研究開発、共同生産、共同販売など)
 ・ベンチャー企業や中小・中堅企業と大企業との連携(ロボット、バイオテクノロジーの研究開発など)
 ・異業種の企業同士の共同事業(燃料電池、人工衛星の研究開発など)
 ・産学の連携(大学発ベンチャーなど)
 ・専門人材が行う共同事業(ITや企業支援サービス分野:ソフト開発、デザイン、経営コンサルティングなど)
 ・起業家が集まり共同して行う創業

などでの活用が考えられます。

3.また、農業やまちづくりといった分野においてもLLPによる新たな事業展開が検討されています。

解説

なかなか普及が進まないLLPですが、LLPの活用方法はここに掲げられている通り、幅広いです。

活用方法の具体例で取り上げられているのは、いずれも「共同」「連携」といった言葉がキーワードとなっています。

LLPの活用方法を考える際には、この「共同」「連携」といったキーワードを中心に、何ができるのか?を考えていくといいアイデアが浮かびあがってきます。

「共同」「連携」することによるメリットは何か?を考えると、売上拡大、経費削減のどちらか(両方である場合もある)にまとめることができるのではないでしょうか。

売上拡大のための連携、研究開発費削減のための共同開発など、LLPを活用できる場はたくさんあります。

以前であれば、業務提携契約やジョイントベンチャーで行っていたのでしょうが、より密接で成果のわかりやすい仕組みとしてLLPという器を1つ作ることも可能となっています。

いずれにしても、ここに書かれていること以外にも活用できる分野があると思いますので、まずは共同で新しいことを始める際には、LLPという制度についてもご検討下さい。

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